関東管領、扇谷上杉家の重臣として主君を支え、主君に斬られた悲運の名称、太田道灌。当代随一の兵法家として名高く、また江戸城築城など城下町整備にも功績があります。
太田道灌の遺した「太田道灌状」には国の不幸として、「賢人があるのを知らぬは不幸の一、知っていながら用いないのは不幸の二、用いても信頼しないのは不幸の三」の三つをあげています。

知略に長け、文芸にも長じた風流人である道灌らしい自信にも悲哀にも満ちた言葉ですが、現代にも通じるものがあるのではないでしょうか。職場でもリーダー、経営者が優秀な部下を抑えつけたり、蓋を閉じてしまったりする事があります。それは「企業(職場)の不幸」=「国の不幸」に繋がる時があると思います。

時にそれが効果的に業績や、組織の団結に結びつく事もあるのでしょうが、優秀な部下の才能開花の妨げなどは決してしたくないです。私がリーダーだとしたら、その才能につくづく惚れるような部下を育て、そんな部下からまた刺激を受け、学び、そして粛々と私にできる仕事に私は打ち込みたいと思うのです。

三国志の超雲のような部下に出会ったら、泣きます。