本日は都内のお客様オフィスに直行。
打ち合わせ、昼食後、山手線を北上し、別件での打ち合わせ。

久しぶりに夏らしい暑気。
久しぶりに昨晩は酒を飲まなかったので、汗をかいた分、今晩のビールは旨そうだ。

酒と言えば、一昨日あたりから読み始めた司馬遼太郎「酔って候」は、日本史きっての酒豪大名山内容堂を描いた作品。土佐海の鯨の如く酒を呑んでは酔う大名という事だろう、自ら鯨海酔侯を名乗った土佐藩最期の大名。

勿論、私の如き唯の酒飲みではないから、歴史に名が残る。幕末は島津斉彬、松平春嶽、伊達宗城等と並び天下の四賢候と呼ばれ、歴史、詩吟、武芸百般に秀でた殿様だった。

幕末に土佐藩は武市半平太、坂本竜馬、中岡慎太郎等多くの人物を輩出したが、容堂は彼等、旧土佐国主の長曾我部家侍を中心とする郷士連中を忌み嫌い、彼等に弾圧を加えたので(武市等は切腹)、ある筋からは評判が悪いかもしれない。

しかしながら、酒を飲まずには本音を言えない性質で、飲み過ぎが祟り腹痛、歯痛に苦しみ、紛らわすためまた酒を飲む。維新後は薩長に政権を掠められた上、大名の座も奪われ、失意の中、酒に溺れて逝ったのではないか。明治五年四十六歳の若さであった。

ストレス社会の現代、酔い潰れる老若男女をお見受けするが、自我を失うような飲み方は避けるよう注意しなくてはならない。

酔って候<新装版>